現在は外国籍を持つ多くの人々が日本の中で共存し
西洋文化が隅々まで浸透、英語にも慣れ親しみ
なんの違和感もなく日本のロックポップと
外国のそれらが並列に語られる。
これは、まだロックという音楽のライヴにおける
本当の意味での祭儀性が明らかになる前の話である。
71年は空前のロックバンドラッシュ
となる。
そしてZEPはそのキャリアにおいてピークを迎えたこの年、
日本にやってきた。
まだ見ぬアジアの小国で自分たちの力を試すため
やってきた彼等に手抜きといった考えはなかった。
それだけ当時の彼等はロックに対して驚くほど真摯に向かい
ロックが持つ可能性を試していたのだろう。
彼等は渾身の力で勝負を挑んできた。
かたや当時の日本の若者は本物のロック、
エレクトリックサウンドの本当の爆発力に餓え
それを渇望していた 。
それが激突した素晴らしい記録、
それが1971,9.23 日本武道館のZEPのコンサート
であった 。
その緊張感は公演を体験できなかった私でさえ
十分に感じられた 。
なぜならその影響力の大きさは素早くあらゆる方面に
広がった 。
糸居五郎のMC、
まだロックコンサートでギャーギャー騒ぐという
概念すら知らない日本のお客の
とてつもない期待感が自然に伝わるオープニング 。
メンバーが出てきて音だし 、
ボンゾのバスドラとペイジのレスポールが武道館の空気を
一気に切り裂くさま 。
移民の歌が始まった瞬間の衝撃を言葉では補えない 。
一曲目で弦を切ってしまいメドレーでプレイする
ハートブレイカーを前に中断、
ロバートのMCの中、ペイジが自ら弦を張り替えるなぞ
信じられない光景である。
しかし改めて始まった演奏からは動揺や気後れといったものは
一切感じられず、ただ観客を圧倒する
鉛の塊のような音が武道館に響き渡った。
この日のコンサートはフルタイム二時間四十分に及び
最後にはロバートプラントの静止を振り切って
興奮した観客が最前列に押し寄せた。
押さえきれないロック衝動が自然発生的に誕生した瞬間である。
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